top of page
mizuishi_200531_093-2.jpg
【ロゴ】大島四丁目団地.png

池上 郁弥

【ツインコリダー】

中央に吹抜けを設け、それに面して平行する二列の廊下に
住戸を配置する構造のことを言う。

ツインコリダーは言わば「物々しい団地イメージ」の際たるものであると思う。

​冷たく物々しい意匠の中に、暖かさはあるのか。

【背景】テクスチャドット.png

【住所】江東区大島4-1

【交通】都営新宿線 西大島駅 徒歩5~10分

​【戸数】2,514戸

【間取】1DK~2LDK/37㎡~54㎡

都営新宿線に乗り西大島へ。駅を出て少し歩くと、大島四丁目団地は姿を表す。公社西大島団地の隣に聳え立つ大島四丁目団地は、日曹製鋼株式会社工場跡地に建設された。「サンルーム型」の窓構造など、面開発市街地住宅の特徴がみて取れる。

​西大島駅と至近距離であるが、都営地下鉄は団地建設後の開通となっている。

About

団地概要

mizuishi_200531_156-2-danchikaiko.jpg

Ojima-4

UR

Portrait

作品撮り

団地の海で。

ツインコリダー住棟の物々しさと無機質さと対比するようなポートレイト。

大島四丁目団地の住棟の凡そに言える特徴は「物々しさ」であるかと思う。少年がかっこいいと思うような工場風景や開発途中のロボット、それらに共通していえる、機能美のみの意匠と造形。それらに有機的なもの、血が通った人間でコントラストを演出する。

oshima4%2BtoeiVE481_200531_001_edited.jp

Danchi Photos

団地写真

バスと団地の邂逅。

都営バス江戸川営業所所管の複数系統が大島四丁目団地近辺より乗り入れ、交通は至便。ほか都心中心部を貫く都営新宿線の西大島駅が徒歩圏内にあり、移動には苦労しない団地であると言える。(都営バス V-E481 2PG-LV290N3)

oshima4_200531_021.jpg

UR

Ojima-4

Danchi

団地めぐり

”ツイコリ”ワンダーランド。

団地は、暖かい。

街には様々な人間がいる。子育て世代、御老人、20代の若者。様々な住民が、日々喜怒哀楽の中で過ごしている。しかし団地の建造物自体は機能美のみであり、「物々しさ」や、「冷たさ」を感じずにいられない。(そこがたまらなく好き)

ツインコリダー構造は上記で述べたとおりであるが、廊下が二面に向かい合うため、シングルコリダーの「部屋を出たら外の景色」ではないわけだ。「部屋を出たら直線的な団地の壁と、向こう側の部屋々の鉄扉が見える」状況である。

​しかし、建築技術の進歩と首都圏の人工流入が過多になっていた時代の中で、「より多くの人に豊かな住居を」と考え出された構造の一つであるから、この構造自体にも人間の血は通っているし、設計者の暖かさゆえの構造であるといえる。

oshima4_200531_010.jpg

ツインコリダー住棟。

oshima4_200531_004.jpg

内部は両側に壁がそそりたつ意匠。

oshima4_200531_015.jpg

内部は両側に壁がそそりたつ意匠。

oshima4_200531_035.jpg

ふれあいショッピングセンター。

暖かさを内包する、冷たい意匠。

ツインコリダー構造が「より狭い土地で多くの住居を確保する」というコンセプトのもと設計された住棟であることは先に述べたとおりであるが、近年では耐震の問題で内側へ鉄骨の補強を入れる事例も出てきている。(河原町団地のツイコリ住棟など)

しかし「ロの字の形をした住棟」は、その分耐震に有利である場合も多く、大島四丁目団地の場合でも内側に補強が入っている住棟は見受けられない。

団地と大通りの部分には「ふれあいショッピングセンター」があり、お肉屋さんなどのお店が軒を連ねる。

​(そこのメンチカツ、美味しかったな)

Danchi Photos

団地写真

Archive

アーカイブス

ツインコリダーと夢。

都市圏へおおくの人が流入していた時代。団地の構造は多様を極めていた。

大谷田一丁目や奈良北で代表される様な「スキップフロア住棟」、多摩ニュータウン(永山団地など)でみられる様な「構造ポイント棟」、そして今回ご紹介した大島四丁目や奈良北団地に代表される様な「ツインコリダー住棟」である。

それぞれの構造に長所や短所があるが、その積み重ねが現在の高層マンション構造などであり、土木技術の発展に多大な寄与をしたといっても過言ではない。ヘンテコリンに見えるかもしれない団地の構造の先に、今のスタイリッシュな構造があるのである。

bottom of page